写真家 ソール・ライター写真展 渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム

 

写真家ソール・ライターの写真展 Bunkamura ザ・ミュージアム

 

たまたまた東京に来てたので、なにか面白展示がないかとおもい、ネットで検索してたら、「ソール・ライター」という写真家の写真展が渋谷の道玄坂にあるBunkamura ザ・ミュージアムで開催されてる事を知り、渋谷まで。

ネットで事前にどういう写真を撮る人なんか簡単に予習して行った。

カラーのスナップ写真の写真家です。

元々はファッション写真の人だったみたいですが、80年代にドロップアウト。

それから死ぬまで世捨て人になって、好きな写真ばかり撮ってきた人です。

写真家になる前は画家だったみたいですね。

最近の写真家は写真から写真に入ってくる人が多いが、昔の写真家は元々画家という人が非常に多く、写真に絵画性、芸術性が多分にある写真家が多いです。

1929年生まれのソウル・ライターもその一人。

写真にやはり元画家の名残があります。

わたしがソール・ライターの写真を見て感じた印象がブレッソンに近いものでした。

しかし、ソール・レイタ―はアメリカ人。

ブレッソンは、フランス人とうことで、出てくる写真は違うのですが、系統でいうと同じ系統の写真家だと思います。

ソール・レイタ―はカラー写真の写真家というイメージが強いですが、カラーで撮る前は当然ながらモノクロで撮っていた時代もあり、その頃の写真から伝わってくる印象は、創生期のマグナムの写真家の写真スタイルです。

しかし、ソール・レイタ―はフォトジャーナリズムの写真家ではないので、人々の生活だとか、社会性を帯びたものは意識的に撮ってません。

ソール・レイタ―の写真から伝わってくるものは、あくまでも私的なまなざしの写真。

シュールな写真が多いです。




ソール・レイタ―のカラー写真を見ていて感じたのが、色彩感覚と言ったものではなく、色のついたモノクロスナップです。

ソール・レイタ―がカラー写真を撮り始めたころ、カラーフィルムは高価なので、カラーフィルムでスナップ写真を撮る人も少なかったと思います、

それと当時のカラーフィルムは感度も低かったので、スナップ写真に向かないこともあるので、あまりカラーでスナップは撮れなかった。

スナップ写真というとやはりモノクロが主流だったし、カラーで街のスナップ写真を撮っていたソール・ライターは当時は異質だったと思います。

ドロップアウト後のソウル・ライターが注目され始めたのが2006年のカラー写真集を出版したあたり。

50年代、60年代のニューヨークの街の芸術的なカラーのスナップ写真の写真集とあって注目されたみたいですね。

50年代。60年代というと、スナップ写真のほとんどがモノクロの時代でしたから。

今日、写真展を見たわたしの率直な感想ですが、写真の撮り方はやはり、当時の構図のきっちりしたモノクロのスナップ写真のスタイルです。

ガラスの映り込み、背景のボケを生かした、シュールなスナップ写真で、特に色がなくてモノクロだとしても、十分に見るに堪えるスナップ写真だと思いました、

カラーフィルムで撮影されてるので、当然色も意識して撮影されてますが。

写真の撮り方が、やっぱりモノクロスナップの人だなぁって思いました。

特に新しさを感じる写真ではなく、その時代の写真家の写真だと思いましたね。

もしも、ブレッソンがカラーを熱心に撮影していたら、こんな写真になるのかな?という印書を受けましたが、見る人によって印書は違うので、あくまでも、わたし個人の印象ということで。

昔のモノクロのスナップ写真家がカラーで撮影した写真という印象が、やっぱり強かった。

最近の若い人にしてみたら、とても新鮮に映るかもしれませんね。

わたしは写真を始めた早いうちにブレッソンやマグナムの写真家の写真を見ていたので、ソール・ライターの写真から、何らかの西洋美術の分脈が見てとれましたけど。

撮影の技術に関しては、標準レンズ、中望遠レンズで撮られたような写真が多く、ピントのボケを活かしたスナップ写真のスタイルなので、使用するレンズが広角レンズではないことも、必然なのかな?と思ってみたり。

標準レンズ、中望遠レンズで撮影するところもブレッソンと共通するところです。

標準レンズとか中望遠レンズで撮影すると、ボケを活かしたシュールな写真を撮りやすいですからね。

 

ソール・ライターは「写真は発見、絵は創造」と言った内容のことを話してますが、ブレッソンは「絵も写真も同じ」と話してました。

その違いが興味深いですね。

ブレッソンは「写真と絵は同じ」と言いつつも「絵は瞑想、写真は射撃」と違いを述べてました。




そうそう、「ソール・ライター」展ではソール・ライターの描いた絵も展示されてました、

ソール・ライターの描く絵と、写真がやっぱり良く似てましたね。

抽象画を描いていても、その抽象表現が、写真のボケの部分や、ガラスの映り込みとリンクするような絵だったり。

ちなみに、ブレッソンの晩年は写真を撮らずに風景や光景のデッサンばかり描いていたようです。

絵のデッサンが写真に置き換わったのでしょう。

ソール・ライターの写真を紐解くには、ブレッソンの存在は避けて通れないと思いますね。

ソール・ライターが直接、ブレッソンに影響されたかどうかは別としても、二人の写真家の共通の時代性という意味では、同時代の作家の写真作品やどういう芸術に影響を受けたか知る必要があると思います。

まぁ、知らなくても見るだけでも楽しめる展示てしたけど。

「ソール・ライター」の写真展を見て、自分の写真のルーツに久しぶりに出会えたような気がしました。

写真を始めた頃、ブレッソンに夢中になっていた自分を思いだしました。

そのせいか、久しぶりに写真展らしい写真展を見たような気もしましたね。

最近のコンセプチュアルな写真と違って、感覚的に撮られたスナップ写真なので、構えずに見れる写真展です。

コンセプチュアルな写真作品が名馴染めず、惑ってるる人は見ておいたほうがいい展示かも。

ソール・ライター展 会期 時間

「写真家ソール・ライター展」

開催日/2017年4月29日(土・祝)~6月25日(日)※予定

開催時間/10:00~19:00(入館は18:00まで)※毎週金・土曜日は~21:00(入館は20:30まで)

会場名/Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)

 

図録も販売されてます。

2700円と少しお高いですが、私は買ってしまいました。

 

それと、ソール・ライターの写真の感想で言い忘れたいたもの思い出しました。

このソール・ライターという写真家は根っからのスナップ写真の人みたいですね。

ソールライターが撮った写真の多くに「のぞき見」の心理のようなものが伺えました。

それはヌードの写真もそうなのでですが、女性のプライベートな時間をのぞき見してるような写真が多いです。

それと縦位置写真も多いですね。

 

これも、ソール・ライターの写真の特徴のようにも思えました、




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