川内倫子 東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはデジタル?サイン入りの写真集売ってる?

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

久しぶりにワクワクする写真展がありました。

先々週、花園中央公園にたまたま訪れた時に東大阪市民美術センターの前を通りがかったら、なんとここの美術センターで川内倫子さんの写真展が開催されるということを知った。

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

宣伝のポスターにはスクエアの写真が使われていて、久しぶりに川内倫子さんのスクエアの写真が見れるって思い、この展示は絶対に見ようと心に決めました。

そして2月13日の日曜日に、東大阪市民美術センターに川内倫子さんの展示を見に行って来ました。

 

展覧会のタイトルは「川内倫子とやまなみ工房の風景」というタイトルの展示でした。

 

展覧会の説明には

写真家の川内倫子は、2018年から約1年半をかけて、滋賀県甲賀市にある障害者福祉施設「やまなみ工房」の日常の風景を撮影しました。たねやグループ発行の冊子『ラコリーナ』14号にて発表されたそれらには、やまなみ工房での日々の生活ばかりでなく、国内外から評価を集めるアール・ブリュット作品の制作風景が捉えられています。本展では、川内の写真とやまなみ工房で制作された作品を併せて展示することにより、川内のあたたかなまなざしと透明感のある作風をとおして障害のある方による芸術活動を紹介し、さまざまな属性の方との共生やインクルーシブな社会の実現について考えていきます。

と書かれてました。

東大阪市民美術センターで展示されてた川内倫子さんの写真はすでに2019年の、たねやグループ発行の冊子『ラコリーナ』14号で発表されてるようですね。

無料の冊子とのこと。

この冊子を手に入れた人はラッキーですよね。

今回はギャラリーでの写真の展示ということで、印刷物で見るものとはまた違ったイメージだと思います。

すでに発表されてる写真とは言え、久しぶりの川内倫子さんのスクエアの写真の展示なのでワクワクしながら東大阪市民美術センターに向かいました。

ここ最近の作品はスクエアの写真はほとんどなかったように思います。

自分はやっぱりローライフレックスで撮った川内倫子さんの写真が好きなので、やっぱり今回の展示はワクワクです。




川内倫子 東大阪市民美術センターの写真展レビュー 展示風景の画像あり!

さて、今回の展覧会は写真撮影がオッケーだったこともあって、展示風景の写真を撮って来ました。

スタッフの方に「ネットに撮影した写真を上げても大丈夫ですか?」と訪ねたところ、「撮影okなので大丈夫たと思います」と了承を得ましたので展示風景の写真をアップします。

障害者福祉施設「やまなみ工房」の方々の作品と川内さんの撮った「やまなみ工房」での日常の写真が調和した興味深い展示でしたね。

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

本当はトークイベントにも行きたかったのですが平日だったので、トークイベントに行くことはできませんでしたが作家自らの言葉も添えてあったので川内さんと「やまなみ工房」との関係性も理解できましたし、より理解しやすかったですね。

 

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

川内倫子さんのスクエアの写真って特徴的で、露出が明るめのハイキーの写真。

開放気味で撮影されてることと、中判カメラで撮影されてることもあって、クローズアップの撮影は被写界深度が浅いのが特徴的です。

それと構図のとり方が独特なんですよね。

単調になりがちのスクエアの写真なんですが、川内さんの場合はそうならないのですよね。

バリエーションが豊富なんですよね。

それとスクエアの写真でドキュメンタリー的な写真を撮る写真家ってあまりいません。

スクエアの写真で撮りきってしまう力量はすごいですよね。

それとおもしろいなぁ、って思ったのが構図はきっちりしてるのですが、ピントが甘かったり、ブレてたりしてます。

スナップで撮影されてることもあって完璧な写真ではないのですが、逆にピントの甘さやブレといったものが、写真の奥行き感や臨場感を加味していて、なんともいえない浮遊感のようなものを感じます。

それと自分が川内倫子さんの写真が好きなところに、多くの女性の写真家から感じる特有の「ねっちょり」した感じがないところが好きです。

女性らしい写真なんですが、「ねっちょり」してないんですよね。

うまく表現できませんが、なんしか「ねっちょり」がないんですね。

奈良市写真美術館 中藤毅彦の写真展のレビュー
今日は奈良の撮影。 コロナの規制が解除されたこともあってか奈良は人がとても多かった。 紅葉の時期もかさなって余計に人が多かったみたいだな。 人が多くなるとどうにも鬱陶しく、レンズを向けた先に人がいたりでイラッとすることも多かった。...

さて、展示風景ですが、こんな感じです。

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

「やまなみ工房」の方々の作品とのコラボという感じの展示です。

川内倫子さんの写真展と思って東大阪市民美術センターにやって来たものの、あまりにも川内倫子さんの写真と「やまなみ工房」の方々の作品と調和した展示空間に驚いてしまいました。

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

川内倫子さんの写真をお目当てに来た人たちが、生のアール・ブリュットの作品と対峙することになるわけですから、中には「やまなみ工房」の方々の作品に衝撃を受ける人も多々いると思います。

その逆にアール・ブリュットの作品に興味があって来た人が、川内さんの写真が気になったりということもあるでしょうし。

時間をかけて撮影されたこともあってか、川内さんの写真と「やまなみ工房」の方々の作品に妙な一体感を感じましたね。

同じ場所で同じ空気を吸って、同じ時間を共有した人同士って感じですね。

 

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

大きな写真は額装されてましたが、小さな写真はアクリル板のマウントでした。

スクエアの大きな写真ってあまり見かけないので、大きな真四角プリントが圧巻でしたね。

数年前に東京都写真美術館で川内倫子さんの写真展を見たことがあるのですが、その時の展示でも大きな真四角プリントがたくさん展示されていてヤバかったです。

大きなプリントになると写真のピントもよく見えるので、ピントの粗もよく見えますし、川内さんが自分で撮った写真をセレクトする基準というものも見えてくるので、写真を勉強されてる方々にも参考になると思いますよ。

自分は今回の展示を見て、改めて川内倫子さんがシャッター優先のスナップの写真家なんだと再認識した次第です。

 

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

それと「やまなみ工房」の方々の作品も面白いものが多かったです。

自分はアール・ブリュットの作品は今回がはじめてでなくて、滋賀県の近江八幡にあるボーダレス・アートミュージアム NO-MA にも何度か行ってます。

ボーダレス・アートミュージアム NO-MA - 滋賀県近江八幡市の歴史ある伝統的建造物群保存地区にあり、昭和初期の町屋を和室や蔵などを活かして改築したミュージアムです。また社会福祉法人グロー(GLOW)~生きることが光になる~(旧 滋賀県社会福祉事業団※)が運営するミュージアムです。※2014年4月、滋賀県社会福祉事業団は社会福祉法人オープンスペースれがーとと一つになりました。
滋賀県近江八幡市の歴史ある伝統的建造物群保存地区にあり、昭和初期の町屋を和室や蔵などを活かして改築したミュージアムです。また社会福祉法人グロー(GLOW)~生きることが光になる~(旧 滋賀県社会福祉事業団※)が運営するミュージアムです。※2014年4月、滋賀県社会福祉事業団は社会福祉法人オープンスペースれがーとと一つに...

アール・ブリュット専門のミュージアムです。

 

はじめてアール・ブリュットの作品をNO-MAで生で見た時は衝撃でした。

 

今回の東大阪市民美術センターでの展示を知る少し前から、近江八幡のNO-MAに久しぶりに行きたいって思ってたところで、タイムリーに「川内倫子とやまなみ工房の風景」の展示が開催されたので、少し驚いてしまいました。

引き寄せの法則ですね。

 

アール・ブリュットの作品って特徴がありまして、繰り返し そして増殖というパターンが顕著なんですね。

そうそう、草間彌生の作品に見られるあのパターンです。

 

平面の作品にも、立体作品にも顕著に現れます。

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

この立体作品もそうですが、増殖です。

延々行われたであろう反復の作品に圧倒されます。

立体作品に関しては原始的なイメージの作品が多いですね。

 

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!

あと一見、落書きのような作品にも、繰り返しの規則性の中に豊かな色彩感覚があったりで、むき出しの芸術の才能というものを目の当たりにします。

 

 

展示風景の写真も含めて「川内倫子とやまなみ工房の風景」の展覧会のレビューをしましたが、写真では伝わらないので、ご興味のある方は是非会場に足を運んで展示空間を体感していただきたいです。

川内倫子さんとアール・ブリュットの作品のコラボは興味深い展示だと思います。

他の写真家が撮影してたら、おそらくここまで調和しなかったのでは?って思います。

 

 

それと映像作品も展示されてました。

「やまなみ工房」の日常を収めた映像作品です。

東京都写真美術館でも映像作品が展示されてましたけども、川内倫子ファンは必見かと思います。

「やまなみ工房」の日常の断片をつなぎ合わせた映像作品なのですが、そのそれぞれの映像が川内さんの写真そのものなんですね。

川内さんがスチルカメラでシャッターを切りそうな場面をビデオで撮影してる感じです。

パンすることなく、フレーミングを固定して淡々と「やまなみ工房」の日常を動画に収めています。

その手法が写真を撮る感覚で動画を撮影してるような感じです。

映像作品を見て感じたことですが、川内倫子さんがこういうシチューションでシャッターを切るんだろうな、とかこういう音や空気を感じながら写真を撮ってるんだろうな、っていうのが伝わってきます。

川内倫子さんの写真撮影の種明かし的な映像作品でもありまして、川内倫子という写真家を研究する上での良い資料かと思いますよ。




川内倫子とアール・ブリュットの関わり

川内倫子さんは2009年にボーダレス・アートミュージアム NO-MAで展示されてますね。→https://www.no-ma.jp/?p=1416

 

ボーダレス・アートミュージアム NO-MAは滋賀県の近江八幡にあるアール・ブリュットのミュージアムなんですね。

2004年に開館してまして、かれこれ18年の歴史のあるミュージアム。

滋賀県っていうと障害のある人のアートの活動に熱心な県であります。

近江八幡にミュージアムがあるくらいですから。

時々どこかのギャラリーなどでアール・ブリュットの展示に、たまたま出くわすことがあるのですが、その多くが滋賀県の福祉施設の人たちの作品が展示されてることが多いですね。

 

そして写真家の川内倫子さんの出身は滋賀県であります。

滋賀出身ということからアール・ブリュットとの繋がりが出来たのかもしれませんね。

しかしながら、川内さんは生粋の滋賀県民と思いきや、実際に住んでいたのは4歳までで、大阪府で育ったらしいです。→帰る場所 川内倫子×滋賀県東近江市

 

「ほとんど大阪人やんか」、ってなことで、ふふふふ(笑)ってなってしまいました。

深読みしすぎましたね。

 

 

川内倫子の東大阪市民美術センターの写真展レビュー 画像あり! 使用カメラはローライ?サイン付きの写真集も販売!東大阪市民美術センターから自宅に帰る近鉄電車の中で展覧会の余韻に浸ってたら電車の中吊り広告にも「川内倫子とやまなみ工房の風景」の広告が。

とても良い展示なのでたくさんの人の目に止まれば良いですね。

中平卓馬 なぜ、植物図鑑か 名言や使用カメラやレンズがヤバい
今日は久しぶりに縦位置での撮影。 以前はよく縦位置での撮影はしてたのだけども、最近はめっきり減ってしまった。 なんでまた縦位置の撮影をふと始めたかというと、ちょっと前にジュンク堂で購入したニューヨークを描いたとある作家の画集を買って...

現在の使用カメラはデジタル?それともローライフレックス?

川内倫子さんの写真がローライフレックスで撮影された真四角写真のイメージが強いのでフィルムメインで撮影してる写真家と思いきや、最近の作品は真四角写真ではなくてデジタルカメラで撮影された作品が多いですよね。

娘さんを撮った写真集もそうですし。

こちらのサイトの情報から→http://www.houpenghui.com/blog/2014/2/8  デジタルカメラはキャノンのデジタルカメラ5Dを使用してるみたいですね。

 

最近はソニーのデジタル一眼レフも使用されるみたいです。→https://www.sony.jp/ichigan/a-universe/gallery/001/news001/

ソニーのデジタル一眼レフの評判は良いし、動画性能も良いのでソニーのほうが使い勝手が良いでしょうね。

 

でも、やっぱり川内倫子さんと言えばスクエアの写真というイメージが自分には強いし、これからもローライフレックスで作品を残してほしいです。

しかし最近の感光材料の値上げもあったりで年々フィルムでの撮影も大変になってきてるので、いずれはデジタル一本になっていくのでしょうかね。

今ではスクエアの写真ってデジタルでも気軽に撮れるので、あえてフィルムにこだわらなくてもええのかな、なんて思ったりしますが。




まとめ

好きな写真家の話になると書くことがたくさんあってキリがないので、ここらでこの記事をしめくくります。

川内倫子さんの写真のイメージって広がって行くので、ほんとキリがありません(笑)

 

東大阪市民美術センターでの「川内倫子とやまなみ工房の風景」の展示はおすすめです。

アール・ブリュットの作品も同時に見れますし、自分はとても満足した展示でした。

チケットも500円と格安だし。

東大阪市民美術センターの場所

展示期間、時間などの詳細はこちらから→「川内倫子とやまなみ工房の風景」

サイン入りの写真集も販売してましたので、サイン入りの写真集が欲しい方は特におすすめです。

 

東大阪というと、大阪でもディープな地域なんですが展覧会と一緒に石切神社へのお参りなんかもおすすめですね。

あと生駒山上遊園地とかもおすすめです。

 

それでは!

コメント

タイトルとURLをコピーしました