奈良市写真美術館で開催されてる写真家の須田一政の写真展に行った。
圧巻でしたね。
数年前の都写美で開催されてた展示も良かったけども現在、奈良市写真美術館で開催されてる展示も見応えありました。
写真の点数は217点とのこと。
展示風景の写真を撮ろうかとおもったけども、あまりにも圧倒されてしまったので、写真を撮るのを忘れてしまった。
奈良市写真美術館(入江泰吉写真美術館)での須田一政の写真展のレビュー!
最初に写真家の須田一政さんってこんな人です。
2019年にお亡くなりになりましたが、今もなお多くの写真家に影響を与え続けてる、日本の写真史に欠かすことのできない、すごい写真家です。
写真をやる上で避けて通れない写真家ですね。
今回の展示では一部カラーのプリントがあったけども、ほぼモノクロのスクエアフォーマットの写真での展示でした。
須田一政の写真を形容する時に「日常の中の非日常」というキーワードをよく目にするが、まったくその通りの写真だった。
良くもこの表情を撮ったなぁ、って思えるような一瞬を撮ったカットが何枚もあった。
こういう写真って狙ってなかなか撮れるものではなく、この一枚に行き着くまでに何枚も撮ってるのでは?って思った。
それと須田一政の写真が「日常の中の非日常」と言われるところに昼間にストロボを使用してるところも挙げられるだろう。
普通は被写体を脅かすことになるので街のスナップでストロボはあまり使わないと思うのですけども、須田一政は昼間にストロボを使用してスナップで撮ってる。
逆光で影で潰れそうなシチュエーションでもストロボを使用してるので、背景が暗く落ち込み被写体が浮き上がったように明るく写るため、スポットライトのような効果があり、非日常感を演出してるように思います。
須田一政がローライフレックスとかハッセルブラッドを使ってたことは有名だけども、スクエアフォーマットの写真のすべてがフレーミングがばっちり決まっていて、いくらなんでもノートリってことはないだろうと思う。
トリミングしたりしてまとめてると思うけども、どうなんだろう。
それとどの写真もスナップにも関わらずピントがばっちり合ってるし、ぶれた写真はほぼなかった。
写真を撮るというテクニックに長けた写真家という印象を受けたのだけども、それ以上に狙う瞬間が多くの写真家とは異なるようにも思えた。
一つの場面で何枚シャッターを切ってるのかとても気になったのだけど、一度コンタクトプリントを見てみたいものだ。
それと須田一政のような絶妙な一瞬を撮るにはオートフォーカスのようなカメラだとタイムラグがあるので多分、なかなか撮れないような気がする。
昔の機械式のカメラだとシャッターを切る時には、すでにピントも露出もあっていて、あとはサクサクってシャッターが切れる状態なので、あのような一瞬が撮影できるのだと思った。
昔のスナップ写真に優秀なものが多いのも、そのあたりが関係してるのでは?なんて思ったり。
しかし、写真の量もすごいし、いい写真ばかりなので圧巻でした。
ひとりの写真家のことを感覚的にでも理解するのに、その写真家の写真を沢山見ないとわからないもので、今回の奈良市写真美術館の展示は須田一政の写真を知るのにいい展示だと思う。
今回の展示の殆どはスクエアのモノクロ写真で、つまり中盤カメラのローライフレックスとかハッセルブラッドで撮られてるわけです。
しかし、須田一政という写真家はその時々でいろんなカメラを使用することで知られてる人で、ハーフサイズのリコーオートハーフで撮ってたり、スパイカメラで有名なミノックスで撮ってたり、あとは8ミリカメラを回してその1コマからプリントしたりと、バラエティに富んだ作品制作をする写真家でもある。
今日奈良市写真美術館で展示されてた写真は須田一政の代表的な写真ばかりだったけども、個人的にはカラーの写真も見てみたいし、ハーフサイズのカメラで撮られた写真も見てみたい。
まだまだ公に出てない写真もたくさんありそうなので、忘れたころにまたどこかのギャラリーとか美術館のようなところでそれらの写真が展示されるのかもね。
たしかヌードとかも撮ってましたよね、須田一政さん。
ひょっとして森山大道に負けず劣らず、普段からたくさん撮ってた写真家なのかもしれませんよね。
晩年は人工透析を受けながら写真を撮ってたそうで、もはや病気ですね(笑)
こちらも忘れたころに未発表の写真で構成された写真集とかも発売されそうですけね。
奈良市写真美術館で展示されてる写真の写真集
今回の奈良市写真美術館での須田一政の写真展ですが、まとまった量のオリジナルプリントを生で見れるまたとないチャンスなので是非この機会に!
ちなみに奈良市写真美術館の須田一政の写真展の会期ですが、
開催日: 2022.4.2(土)ー2022.6.26(日)
です。
奈良市写真美術館の施設案内やアクセスなど詳細
奈良市写真美術館の詳細です。
最寄りの駅から美術館までそこそこ離れてます。
時間のない方はバスで来られたほうが早いかも。
個人的には時間の余裕をもって、奈良公園の散策がてらにのんびり来られることをおすすめします。
開館時間
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※毎月第2・第4土曜日は、午後2時から展示担当者による作品解説があります。
休館日
- 月曜日(休日の場合は最も近い平日)
- 休日の翌日(そのが平日の場合)
- 展示替え期間※展示計画によって変わります。要問合せ
- 年末年始(12月27日~翌年1月3日)
閲覧料金
一般 | 500円 |
---|---|
高校・大学生 | 200円(高校生のみ土曜日無料) |
小・中学生 | 100円(土曜日無料) |
奈良市在住の70歳以上の方 | 無料 |
身体障がい者手帳・療育手帳・ 精神障がい者保健福祉手帳 をお持ちの方(要手帳) とその介護者 | 無料 |
団体(20名以上) | 2割引 団体観覧依頼書 |
アクセス
駐車場
- 写真美術館から南へ100mの場所にあります。
- 1時間まで駐車料金は無料。以降、1時間毎に300円、一日最大900円。
- 身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方が乗車される車は無料(駐車券を持参で受付にお越しください)。
※当館利用者に限る - 駐車時間はAM9:20からPM5:10までです。
- PM4:30以後及び休館日は入庫できません。
- 普通自動車39台駐車可能。
- 高さ2.3m以上の車は入庫できません。
JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良市写真美術館へ来る場合
JR奈良駅(東口)
奈良交通バス2番のりば「市内循環外回り」乗車。黄色のバスが目印です。※運賃は先払い210円
近鉄奈良駅
・西改札口 → 5番出入り口
・東改札口 → 1番出入り口
奈良交通バス1番のりば「市内循環外回り」乗車。
黄色のバスが目印です。※運賃は先払い210円
まとめ
写真の展示を見たあとは少し夢心地だった。
とても良い写真展でしたね。
先月は東大阪の市民ギャラリーで川内倫子の写真展が開催されてたりで、先月に続いて連続で良質な写真展が見れたので、とても満足してる。
しかし今回の須田一政の写真展、先月の川内倫子の写真展も500円という値段で見れたので、なんかコスパ半端ないですなぁ。
両方ともに1000円取ってもいいくらいの展示だと思う。
関西でこれだけの規模の須田一政の写真展が見れるのはもうないかも知れないので、必見です。
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